かつては
「毎月、エアコンに冷媒ガスを充填しています。」
それは、ベトナム出張の際によく利用する日本食レストランで
オーナーから聞いた衝撃的な言葉でした。
しかも、それはこのレストランに限った事情ではなく、
他の飲食店でも同様に起きているということです。
日本でもエアコンの冷媒ガスが漏れることがない訳ではないですが、
ベトナムのように当たり前に毎月充填することはありません。
ベトナムでのルームエアコンの取り付け費用は日本の20分の1で、
その代わりに、空調工事の職人は毎月の冷媒充填で利益をとっているそうです。
二酸化炭素の2,090倍もの温暖効果を及ぼすフロンガス。
その漏洩を防ぐために3つの視点でレポートを作成しました。
①ユーザーは、頻繁に冷媒充填することなく、快適な生活をおくる
②良い工事にそれ相応の対価が支払われ、技術力のある職人が利益を得る
③空調工事を勉強する人は、真剣に技術を学び、高品質の工具や部材をつかう。
1. 途上国のエアコンで頻発する冷媒ガスの漏洩
- 途上国では地球温暖化を引き起こすエアコンの冷媒ガスが日常的に漏洩している。
- 一般的な冷媒ガスR410AはCO2に比べて温暖化係数が2,090倍にのぼり、オゾン層の破壊にも影響する。
- 漏洩の大きな要因は工事不良にあり、エアコンを工事するための工具の品質問題、低い施工技術が問題。
- エンドユーザーは、良い工事によって漏洩を防げることを知らないために、頻繁に冷媒ガスを充填し、ランニングコストが高くなっている。
→施工レベルを向上するには?
2. 高品質の工事・部材・工具の“学び場”づくり
- 日本企業が東南アジアの空調学校や空調メーカーと協力し、現地の施工技術向上を図ることができる。
- 教育機関自体の知識や指導レベルを上げ、適切な工具の選び方や扱い方の認知を広げることで、品質の高い部材や工具の商流活性化につながる。
- 施工者は、エンドユーザーが高品質の工事を理解して相応のイニシャルコストを受け入れる文化を根付かせる必要がある。
→施工業者に差別化を
3. “認定店”と顧客をプラットフォームでつなぐ
- 高品質なエアコン施工で冷媒ガスの充填が不要となれば、ランニングコストが低減し、長期的にローコストになる。これをユーザーが知らなければ、安価なイニシャルコストによる漏洩の代償を地球が負う。
- 施工者の資格制度によって施工業者の格付けが可能である。ランキングが公開されれば、ユーザーは希望の施工業者、部材、予算の選択肢を認識することになる。
- 電材商社が教育プログラムから技術者認定まで提供・管理することで、情報が蓄積し、施工業者の施工実績、技術レベル、施工費用を比較・公表・更新して、自らの商流拡大に期待できる。
→電材商社による、もの、ひと、技術のマッチング