かつては “企業のサーバを預かるところ”だったデータセンター。
現在ではAWSやAzureといったクラウドが当たり前になり、
その上に各種サービスが一般向けに実装されるようになっています。
私自身、社内の基幹システム入れ替えのために出入りを重ねたことで、
それは以前にも増して社会に不可欠なITインフラになったと実感しました。
しかしながら、データセンターのサーバは発熱・騒音が激しく、
施設内はいつも寒いほどに冷房がかかっていたと記憶しています。
このような電力を大量消費する施設が増加すれば、
環境に対する影響も膨らむ一方なのではないでしょうか。
本レポートでは、その傾向と解決策の調査を通じて考察を深めました。
どうぞ、ご覧ください。
1. データセンターの増加と大規模化
- クラウドやSaaSの普及でコンピュータを集積したデータセンターが増加。そこで用いられる電力も顕著に増加し、環境負荷が増大している。
- インターネット&スマートフォンの普及とネットサービス(クラウド SaaS)の拡大およびブロックチェーンを維持するためのマイニングの大規模化
- データセンターを起因とする電力消費量が増加。安価な電力コスト=石炭火力発電を求めて立地を探す動きがあり、結果としてCO2排出量も比例して増大する。
→増え続けるデータセンターの環境負荷に対し、対応策は?
2. 構成機器の省電力化による環境負荷減少
- データセンター内で用いられる機器の省電力化により、データセンターの環境負荷を減少できる。
- サーバなどコンピュータの開発製造企業は勿論のこと、データセンター運営企業が主体となって取り組むことで、データセンター利用者も協力者となる。
- 省電力化により、処理量の増大に比して利用エネルギーの増加は抑えられている。しかしデータ量・処理速度に対する要求は日々増大する為、効果を相殺しさらに環境負荷が上がってしまう課題が残る。
→機器の省電力化だけでは将来の需要増加に対応できない、ではどうする?
3. 再エネ利用データセンターを積極的に選択し、環境負荷軽減を
- 「どこでも、どの端末でも、同じデータを参照・処理したい」という需要が、ソフトウェア・データ保管の更なるクラウド対応を迫る。同時に、よりリッチなコンピューティング体験(動画・3D・VR)がデータ量を増大。
- データ処理量・転送速度・処理速度の増加スピード鈍化と技術革新により、データセンターに係るエネルギーコスト(建設・運用・機器のエネルギー消費)が減少し、両者が均衡していくことが求められる。
- 再エネ利用データセンターを利用者が選択することで、取組みの拡大が進む。
→消費電力が増えても環境負荷を減らすサステナブルな電力調達へ