令和の時代が幕を開けて3年ほどが経ちました。
ジェンダー格差を巡り、まだまだ改善の余地はあるものの、
日本でも女性が男性と同じように働ける環境が整備され始めました。
一部ではありますが、当社でも女性営業マンが活躍しはじめています。
一体いつ頃から、社会に女性活躍が求められるようになったのでしょうか。
今回、ジェンダー平等をテーマにしたきっかけは私の娘です。
娘は、学生の頃にアルバイトで引越センターに勤めていました。
本来、引越業における女性の担当は、食器や小物等箱に詰める作業ですが、
彼女は自ら男性と同じように荷物の運搬や家具家電の設置業務を選びました。
身体条件が適していたという訳ではなく、身長153cm体重40kgと小柄ながら、
上手く力点をおさえるコツをつかみ、男性並みに活躍できたと聞いています。
それに加えて、女性ゆえの仕事の繊細さや丁寧さも評価されたとのことでした。
このことから、何の仕事であっても工夫次第で性別による先入観を打開し、
社会文化を改革していく事ができると痛感しました。
どうぞ、本レポートをご覧ください。
1. 業界によって男性優位の文化が残っている
<男女共同参画社会の険しい道のり>
- 社会で男性が優遇されてきた経緯から、業界によってその文化が残り女性活躍が阻まれている。
- 男女共同参画社会基本法が1999年に施行されて20年以上経つ今も、男女の役割分担についての社会通念・慣習・しきたりなどが根強く、悪意なく実態が乖離する場面が多いと考えられる。
- 国として生産性向上を図る施策は続くが、企業単位でも女性が働きやすい仕組みを実務から生み出し、意欲に応じた女性管理職の登用が望まれる。
→仕事に人をはめるのではなく、人から仕事を創られる
2.佐川急便、いち早い行動計画で女性雇用比率が1.6倍
<男性イメージの強い業界の一企業による変革>
- 配送業界大手の佐川急便(SGホールディングスグループ)は、 2011年に女性活躍推進を重要な経営戦略に掲げ、「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進委員会」を2013年発足、2019年改名。
- 全国の支店・営業所の委員を中心に、労働環境の整備、取り組みの浸透・意識改革、キャリア形成支援を実施。女性顧客の心理をつき、対面授受の工夫やサービス開発に結びついている。
- 2018年にはCMやWeb動画に、女性セールスドライバーの姿を映して反響を得た。
- 行動計画を厚生労働省のデータベースに公開し、従業員の女性比率向上の目標を設けている。すでに女性従業員が3割に迫るが、達成にはペースアップを要する。
→現場のすべての者に力仕事が必須とは限らない
3. チームワークで企業文化が熟成される
<「男性の仕事」という先入観の打開>
- 女性当人の意欲にも増して、周囲の理解度によって可能性が見切られてしまうのではないか。逆に、ロールモデルがひとつでも示されたときに、周囲の反応を見て変革が加速する。
- 物流でいう物の運び方など、特定の「方法」に固執すると先入観が働いてしまう。「ゴール」を共有して個々が得意とする役割を集めたり補助ツールを活用したりすることで、チーム達成を促すことができる。
- 組織は、施策上で問題にぶつかった際に「女性にはできなかった」と一つの面で解釈・解決するのではなく、フォーメーションの体制構築、仕組みを考えルール作りを再考することで前進できる。
→女性の強み、その人の強みを活かすマネジメントへ