かねてから報道される子どもたちの野球離れ。
野球観戦が趣味の筆者は、その背景に関心を持っていました。
なぜ子どもたちは野球を続けられなくなってしまうのでしょうか。
野球に欠かせないグローブの流通や価格の変動から、
負のスパイラルを絶つ事例をリサーチしました。
どうぞ本レポートをご覧ください。
1. 物価高騰により生活の困窮が顕著に
<社会課題>
- ロシアのウクライナ侵攻による燃料輸入価格の上昇は、食料品を中心とした物価高騰に拍車をかけている。生活に困る子育て世帯の85%が「生活が苦しくなった」と回答(2022年6月調査)。
- 子どもたちが使う野球のグローブも、直近6年間で19.4%価格上昇している。原材料の牛革は生産国である中国国内で需要が増加し、輸出品の低品質化・価格高騰に繋がっている。
- 初期費用が嵩む野球において負担がより大きくなることに加え、ポジション変更等によるグローブ買い替えもあり、始めることや継続することのハードルが高くなってきているのではないか。
→低コストで安定供給を継続する方法とは
2. 使用済グローブをリメイク再生
- グローバルポーターズ株式会社(東京都)では、野球を通じた社会貢献をミッションに、グローブの修理やリメイクを行うサービス「グローブ再生工房Re-Birth」を展開している。
- 甲子園常連校との提携や店頭でグローブを買取り。破れや補強などの修理全般に加え、スポーツ店で断られるような型直しや裏革の交換まで対応し、高品質に再生して低価格で販売している。
- 都内3拠点では回収量や販売量に限りがあるのではないか。全国に潜在するニーズに応える環境が求められる。
→中古グローブの市場を広げるために
3. 心を動かす資源回収へ
- 野球をする子どもたちがいる家庭にとってグローブリメイクの認知度はまだ高くなく、新品の購入や使用後の廃棄が当たり前になっているのではないか。
- 再生商品の社会価値が上がり、その使用がステータスとなることで、相場に左右されない原料調達で市場が育つことが理想である。
- スポーツセンターや販売店が仲介役となってオリジナルタグなどで差別化を図り、提供者がその技術に触れるような参加型の資源循環の仕組みが求められる。
→子どもたちが安心してスポーツを続けられるように