バラエティ番組から学ぶコミュニケーションの姿勢

10.人や国の不平等をなくそう

「日本で初めて友人ができた」

2022年10月、筆者はひとりの日系カナダ人と縁あって友人になりました。
彼は、2016年からの6年間、毎年3か月は日本で過ごしているそうです。
それにも関わらず彼が発したその言葉に、私は驚きました。

とある店で彼と出会った時、そこには高学歴の方々が居合わせていました。
彼はなにか尋ねたい様子でしたが、みな英語を聞き取ることができず、
口を揃えて「I can’t speak English.(私は英語が話せない)」と彼を避けるばかり。
見かねた私は声をかけ、身振り手振り、携帯電話の翻訳アプリを駆使して、
「店のポイントカードを作りたい」というメッセージにたどり着きました。

そこから2週間もすると、その店では次第に彼と英語で話す人が増えました。
ついには彼の帰国前、別れを伝えようと30人もの人が集まりました。

私と彼のコミュニケーションから周りは安心して話し出せた訳ですが、
きっと訪日観光客の中には、困っても助けを得られなかった人が
たくさんいるのではないでしょうか。

そんな寂しい思いをする人がひとりでも減ればと思い、
今回のレポートを作成することにしました。
ぜひ、ご覧ください。

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1. 外国人との会話が「完璧」でないと恥ずかしい日本人

<社会課題>

  • 2023年10月の訪日外客数は251万人を超え、コロナ禍以降初めて、2019年同月を超えた。
  • 英語学習をしている全国の20代~50代のビジネスパーソン500名を対象にした調査において、英語の4技能の内「話す」が一番難しいと回答した人は、最も比率が高い55.8%だった。
  • 自身の英語の発音に自信がないために、「英語を話したくない」と思ったことがある人は64.4%にのぼる。
  • 「一番伸ばしたい」技能もスピーキングであることから、日本人が外国人と会話する際に、ネイティブのように完璧に発音しないと恥ずかしいという固定概念に縛られているのではないか。

2. 「出川イングリッシュ」から学ぶ会話の在り方

<解決事例>

  • 日本テレビ系列で放送されているバラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」は、別番組「はじめてのお使い」のパロディ企画として「出川哲朗はじめてのおつかい」を2015年より不定期に開催してきた。
  • 企画主旨は、お笑いタレント出川哲朗が様々な国を訪れ、現地の人とのコミュニケーションを通じて、ローカルなミッションに挑戦していくものである。
  • その片言英語は「出川イングリッシュ」と呼ばれ、語彙力や発音が十分でなくとも恐れずに声をかけ、諦めずにあらゆる角度で関連する単語を並べながら、身振り手振りでミッションの正解を導く姿に評価が高い。
  • 英会話を学習する一般的な場面では、話すこと自体が達成すべきミッションになっているのではないか。

3. 「英語力」から「コミュニケーション力」へ価値変換

<企業展望>

  • 言語を学ぶことは国際社会の中で重要だが、それはあくまで手段であり、会話を通じて自身のミッションを達成する意思が問われる。
  • ネイティブのように発音できなくても恥ずかしがらず、伝える選択肢が複数あることを認識し、まずは相手が親身に耳を傾けたくなるような「人と人」の関係を築く誠実な態度が理想である。
  • 企業では、業務がミッションであると明らかだ。そのため、多国籍な人材雇用によって、個人の英語力に留まらず組織としてコミュニケーション力をいち早く向上できると考える。

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※こちらはプレビューです。ダウンロードデータは別紙をご確認ください。

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