サーフィンを嗜む筆者は、夏は隔週で海に通います。
そこで、気になったのが臭う海と臭わない海の差でした。
魚が腐敗したのか、ごみが流れついてしまったのか。
ところが、この臭いのもとが「衣類」かもしれないと知り、
「まさか」と思いレポートの題材としました。
皆さんが普段「〇〇だろう」と思っていることも、
実は意外な原因があったりするのではないでしょうか。
どうぞご覧ください。
1.服で臭くなった海
<社会課題>
- 合成繊維から発生するマイクロファイバーは海洋汚染を起こす。世界最大級の古着市場があるガーナの首都アクラの海岸では、不法投棄された衣類の山が刺激臭を放っている。
- 先進国から寄付などの名目で押し付けられて送られてくる衣類の40%以上は使用されずに廃棄される。それによって行き場のない衣類が不法投棄され、上記の問題になっている。
- 水路をつまらせ、海やビーチを汚し、現地の人たちの生活環境を圧迫する。さらに異物となった服は蚊の発生源ともなっており、「貧困の病」とも呼ばれるマラリアを引き起こしているのだという。
2.フランス「ファストファッション罰則法」可決
<解決事例>
- 数々のファッションブランドを生み出してきたフランスは、環境問題を業界や消費者だけの問題とせず、社会問題として国をあげてファッション業界が悪習慣から脱却できるよう施策を重ねている。
- 2020年2月、世界で初めて資源循環と廃棄物削減を目指した循環経済法を交付し、売れ残り衣類の廃棄を禁止。さらに2024年3月14日に、ファストファッション罰則法が国民議会で可決された。
- 制限対象者は、短期間で大量生産した商品を扱うEC事業者に焦点が当てられ、国内に実店舗を持つブランドは除外される。このようなファストファッションの定義や線引きに、反発も生まれかねない。
3.ファステナブル・ファッションへ
<企業展望>
- 販売率の劣る国内ブランドを守るために、生産量と拠点が論点になっているのは、一般的に生産効率を求めるビジネススキームと相反するのではないか。
- そもそも環境負荷の低い製造方法に変わり、大量生産による衣服ロスをなくす受注販売など、「ファステナブル・ファッション」が理想である。
- 事業者は、長く着られる丁寧な服づくりや、自社製品のリペアを行い、顧客との長期的な関係を維持することで、根本的に大量廃棄の解決に貢献できる。
レポートのダウンロード
※こちらはプレビューです。ダウンロードデータは別紙をご確認ください。