生活で使える便利なアイテムや、おしゃれで機能的な洋服、数年使える丈夫な家具。
どれもずいぶんと安く手に入るのが当たり前になりました。
昭和から令和にかけての時代の流れの中で、
日本人のモノに対する価値観も変化しています。
新品から中古へ
所有から利用へ
モノからコトへ
個人ステータスから共有ステータスへ
人々の消費や、纏わるリテールの変革を
SDGsからの目線で追いかけてみました。
変化を捉え、我々は卸売商社としてどんな事業が展開できるのか。
本レポートではそんな変化と考察をまとめました。
是非、ご覧ください。
1. 新商品を安く買いたい 日本だけ上がらなかった物価
<不景気を生き抜いてきた日本、世界から見ると相対的なデフレの中にいる>
- 新しいモノが好きな日本人、良いものをより安く手に入れたい。利用する事は所有する事だった。
- 産業の海外生産シフトによる低価格化、空洞化、低賃金化が進む。日本だけ上がらなかった物価。
- ゴミの総排出量は減ったが、賃金低下と比例。単純に買えなくなった事も要因の一つではないか。
→より安く買いたいニーズへ、中古市場の拡大
2. 時代に求められ、拡大したリユース市場
<より安くを求め、バブル崩壊が産んだリユース市場>
- バブル崩壊後の90年代~00年代にかけて、リユース店舗が大幅に増加。捨てない選択肢が一般化。
- 古本市場、ブックオフ、ハードオフ、バイク王、セカンドストリート、ゲオ、コメ兵、等。
- 10年代以降、店舗数が激減するも、個人間取引の活発化によりリユース市場は拡大し続けている。
→インターネット普及による、個人間リユース品取引が盛んに
3. 身近になった個人売買による『利用』に対する意識の変遷
<利用したいタイミングで、手に入る。 個人間売買が可能な時代に突入>
- 個人間取引やレンタルの拡大により、必要な時にだけ利用する消費に抵抗が無くなってきている。
- ヤフオクがインターネット売買の礎を築き、メルカリがアプリ化において利用者の敷居を下げた。
- 『所有』するために消費するのでなく、『利用』するための消費へとシフトしている。
→モノが欲しいのではない、『メリット』が欲しい
4. モノ消費からコト消費へ 体験に新しさを求める日本人
<モノではココロは満たされない>
- 日本人の多くはもうモノを求めていない。心の豊かさを求めている。モノはそのツールなのだろう。
- モノやサービスだけではなく、体験を総括してコトである。コトの多様性はヒトの多様性の現れ。
- モノに価値を求めたままだと、より安価に実現される可能性が高い(ワークマン、100円均一等を例)
→卸売業として、モノだけの価値を追い求めて良いのか
5. 場のデザインをする事は 現代のヒトの営みをデザインする事
<モノやコトだけではない、ヒトが主役の商売が今後のキーポイントになり得る>
- 利己主義から功利主義へ。『貢献』は消費行動においても重要なファクターになる。エシカル消費。
- 『モノ』に対するストーリーやユーザーナラティブを紡ぎ、消費で関わる『コト』に価値を創出。
- モノによるヒトを繋ぐ場、共有できる機会提供で、リアルでもオンラインでも利益を産む。
→モノを扱う卸売業こそ持続可能な『場』へのサービスデザイン意識が必要