次世代の太陽電池

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

近年、気候変動への対応や化石燃料の枯渇を背景に、再生可能エネルギーへの注目がますます高まっています。
特に太陽光発電は、世界中で急速に広がっている主力エネルギーのひとつです。

しかし、現在広く使われているシリコン系太陽電池には、設置場所の制限、エネルギー変換効率の限界といった課題もあります。
そこでこれらの課題を解決するような、次世代の太陽電池について調べました。

新たな太陽電池といてペロブスカイトが近年注目されていますが、 今回はさらにその先の太陽電池についても調べました。
まだ研究段階ではありますが、柔軟性とポテンシャルが高く、未来のエネルギー技術として期待できるものです。
是非、興味のある方は本レポートをご覧ください。

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1.太陽光発電の現状/社会課題

  • 温室効果ガスによる地球温暖化、燃料資源の枯渇により再生可能エネルギーが注目されている。
  • 国内の発電電力は火力発電が70%以上を占めている。
  • 現状の太陽光発電の割合は9.2%で、火力発電(70%以上)と比較して利用率が低い。
  • エネルギー変換効率が火力発電40%、太陽光発電10~20%と火力発電のほうが圧倒的に高い。
  • 現在、広く使われているシリコン太陽電池は設置場所が限られている。

2.ペロブスカイト太陽電池/注目の次世代太陽電池

  • ペロブスカイト太陽電池
    2009年に桐蔭横浜大学の宮坂教授が発明し、次世代の太陽電池として注目を集めている。
    歪みにも強く、薄さ約1mmと軽量化が実現しており、従来の太陽電池では設置不可能だった壁面や曲面に取り付け可能である。
  • 課題点
    ・エネルギー変換効率が15%以上で、火力発電(40%)と比べるとまだまだ低い数値であること。
    ・鉛が含まれているため、リサイクル時や廃棄時の環境汚染が懸念されること。
    ・高効率を保つための材料が安定しにくく、劣化や効率低下が早い。

3.量子ドット太陽電池/ペロブスカイトのその先へ

<企業展望>

  • 量子ドット太陽電池
    ペロブスカイト太陽電池の変換効率をさらに上回り、理論上ではあるが変換効率が75%と非常に高い潜在能力を示す。量子ドットの大きさを変えるだけで、光吸収の波長範囲を紫外線から近赤外光にわたって広くチューニングすることが可能である。
  • 課題点
    光増感剤としてPb,As,Cdなどの重金属が使用されており、環境負荷が懸念されている。
    高価な白金が使用されており、作製コストが高い。大阪工業大学の東本教授らによって、 
    CuInS₂を用いて環境負荷を低減し、安価なカーボンを用いることでコストを削減する研究が行われている。
  • 筆者の期待
    量子ドットは柔軟で透明にもできるため、従来の太陽電池では不可能だった、窓や服に発電機能を持たせるような商品の開発を期待している。

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