増え続ける紙おむつに終止符を打てるか

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

2021年12月、我が家に待望の初孫が生まれました。

幸せな日々の中で、ちいさく積もる違和感がありました。
それは大量のおむつをそのまま捨てることです。

排出者の手間だけでなく、焼却による環境負荷もあり、
おむつの使い捨てが当たり前ではなくなろうとしています。

是非、本レポートをご覧ください。

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1. 紙おむつの大量廃棄による環境汚染

<社会課題>

  • 日本では年間200万トンを越えるおむつが廃棄されている(2015年度値)。これは一般廃棄物の排出量の4%を占め、その焼却処分によるCO2排出が課題となっている。
  • 使用後のおむつは、し尿を含むことで質量が約4倍に増える。水分を多く含むことで、一般的に一般廃棄物/感染性廃棄物として焼却処分される際に、設備への負荷も大きくなる。
  • これらの焼却によるCO2排出量は、国内で年間21万トンにのぼる(相殺に1,500万本杉の木を要する規模)。さらに、少子化に対して高齢化は著しく、全体の排出量は2030年に7%増加が見込まれる。

→消費を減らせない衛生用品の処理方法を見直す

2. 使用済み紙おむつ、再資源化で環境貢献

<解決事例>

  • 福岡県福岡市のトータルケア・システム株式会社は、紙おむつリサイクル事業を展開。2021年に環境省の補助事業に採択され、「完結型マテリアルリサイクル・モデルプラント」の建設を計画する。
  • 紙おむつリサイクルは、水溶化・分離処理によってパルプ・プラスチックを回収する。使用済みの紙おむつを再資源化することで、CO2排出を40%削減することができる。
  • 一般廃棄物の処理費用は自治体よって10~20円/kg。これに比較してリサイクル処理費用は40円/kg倍以上のコスト高が課題となっている。(2019年度実績値)

→リサイクル工場への集約は必ずしも必要か?

3. 企業は、物理的にも経済的にも消費者に身近な商品開発を

<企業展望>

  • 紙おむつリサイクルの工場は、プラント建設や設備機器に大規模な投資を要する。さらに、一般廃棄物と異なる分別や収集にかかる袋・箱・作業人員等でコスト高を招いていることが考えられる。
  • 廃棄前に水分を除いて体積を減らすことでコスト減できるのではないか。住居や施設等に分離回収装置を設置することで水分と固形物を分離、または全て破砕して下水道に流す整備に期待される。
  • 小規模であっても、分離・破砕機器の維持管理費や、石油から製造された素材の下水道流入の軽減といったさらなる技術開発がリサイクルを向上させる要素となる。

→止められない廃棄に、処理方法の選択肢を

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